ヴィーガンとベジタリアンの違いとは?SDGsに貢献するやさしい暮らし方
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こんにちは。
当団体でコラムを執筆している土井あゆみです。
実は、食の選択が地球や社会を守る行動につながることはご存知でしょうか。ヴィーガンやベジタリアンのライフスタイルは、実はSDGs(持続可能な開発目標)への貢献にも深く関わっています。
今回はどう関わりがあるのかも交えながらお伝えしていきます。「ヴィーガンって厳しそう」「ベジタリアンとの違いがよく分からない」そんな疑問をお持ちの方に向けて、理解を深める時間になれば幸いです。
ヴィーガンとは?動物性食品を使わない暮らしのスタイル
ヴィーガンとは、動物性食品を一切摂取しないライフスタイルのことです。肉や魚はもちろん、卵、乳製品、はちみつなども避けます。 この言葉は1944年にイギリスの「ヴィーガン協会」で使われ始めました。 最近では食事だけでなく、動物由来の衣類(レザーや毛皮など)や、動物実験を行った製品も使わないという考え方が浸透しています。これを「エシカル・ヴィーガン」と呼び、環境や動物福祉への意識を含む、より広い意味でのライフスタイルとされています。
ベジタリアンとは?ヴィーガンとの違いを知ろう
「ベジタリアン」という言葉は、「ベジタブル(野菜)」からではなく、ラテン語の「vegetus(健全な、活力のある)」が語源です。 ヴィーガンと異なり、一部の動物性食品は摂取するスタイルで、以下のように分類されます
・ラクト・ベジタリアン:
乳製品はOK、卵・肉・魚は避ける
・ラクト・オボ・ベジタリアン:
乳製品・卵はOK、肉・魚は避ける
・ペスコ・ベジタリアン:
魚も含めて摂るが、肉は避ける
・ヴィーガン:
動物性食品をすべて避ける(最も制限が多い)
こうしたスタイルを選ぶ背景には、健康面での配慮、宗教的な価値観、環境意識、動物愛護など、多様な理由があります。大切なのは、それぞれの価値観を尊重することです。
ヴィーガンとベジタリアンがSDGsに貢献する理由
SDGsは国連が定めた17の目標です。その中には「飢餓を0に」「気候変動に具体的な対策を」「つくる責任つかう責任」などの目標があり、ヴィーガンやベジタリアンの生活は、これらの目標に貢献することができます。
1.食糧資源の有効活用につながる
実は、穀物が十分に生産されているにもかかわらず、飢餓に悩む人がいる理由のひとつに、畜産業に使われる穀物の課題があります。
動物性食品の生産には、多くの穀物や水、土地が必要です。食肉を生産するための穀物の栽培に多くの土地や水が使われており、土地を追われる人や、綺麗な飲料水を得られない人がいることも課題となっています。
こうした課題に対して 菜食を取り入れることは、世界の食糧問題を改善する可能性を秘めています。ヴィーガン・ベジタリアンの価値観が広まることで、より多くの人が飢餓に悩まずに済む可能性があります。
2.環境への負荷を軽減できる
畜産業には家畜が暮らすための広大な土地が必要で、そのために多くの森林が伐採されています。森林が減ると、生態系に影響があることはもちろん、CO2をはじめとした温室効果ガスの排出へも影響します。本来、森林はCO2を吸収し酸素を排出してくれますが、伐採されCO2が吸収されないうえ、伐採後の木が燃やされたり木炭にされたりする際に、温室効果ガスを発生させてしまっているのが現状だそうです。そうした影響で、さらに地球温暖化が進んでいます。
また畜産においては、飼料となる穀物を生産するための水はもちろん、家畜たちや飼育場の洗浄、消毒に使われる水を消費することはもちろん、排水による水質汚染も問題となっています。 家畜たちのふんや尿などが含まれる水がそのまま排出され、細菌が繁殖し水を汚染してしまうことが発生してしまうのです。こうしたことを防ぐためにヴィーガン・ベジタリアンを取り入れることで排水を減らすことや、人が使う飲料水確保や、水質汚染の防止につながると考えられています。
3.社会的公正や労働環境の改善につながる
畜産業における土地の独占や、開発にともなう地域紛争、劣悪な労働環境は、社会課題としても指摘されています。 近年商品をつくるメーカーとしても、サスティナブルな(持続可能な)ブランドであることやエシカルな(倫理的配慮がされた)ブランドであることの価値が高まっています。 原材料だけではなく、生産工程の透明性や、ブランドとして多様性を尊重していること、さまざまな観点で倫理的な配慮がなされていることが重要視されはじめていますし、フェアトレードやエシカル消費を意識した製品を選ぶことで、つくる人の権利や生活にも配慮できます。
今日からできる!ヴィーガン・ベジタリアンの始め方
「全部やらなきゃ意味がない」と思う必要はありません。 完璧でなくても、少しずつ意識を変えていくことが大切です。 たとえば、次のような行動から始めてみましょう。
・週に1日だけ動物性食品を控える「ミートフリーマンデー」を実践する
・牛乳を豆乳やオーツミルクに切り替えてみる
・スーパーで代替肉(大豆ミートなど)を試してみる
・動物実験をしていないコスメを選んでみる
今では、飲食店やコンビニでもヴィーガン対応の商品が増えています。無理なく、自然に取り入れていきましょう。
まずは一歩から。やさしさを選ぶ暮らしを
ヴィーガンやベジタリアンは、地球・動物・人にやさしい暮らし方を選ぶことだと私は感じています。まずはできることから初めてみたり、自分に合ったやり方で、無理なく、楽しみながら続けることが大切です。 「今日から少し意識してみようかな」と思っていただけたら、是非チャレンジしてみてください。