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国内のヴィーガン人口は?人口割合、推定経済規模を算出

 

日本国内でも聞くことが多くなってきたヴィーガンですが、実際どの程度の人口になるのでしょうか。

ヴィーガン人口を対象とした調査は多くはなく、確認できるところではNPO法人アニマルライツセンターが2014年[1]に実施した調査やフレンバシー社(Vegewel)が2017年[1]、2019年[1]に実施したオンラインアンケート結果を参考にする必要があります。

実施年度、実施機関がことなるため一概に比較することはあまり適切でありませんが、これらの調査を参考にすると国内のヴィーガン人口は平均して1.9%という数字になります。同調査内でベジタリアン率も確認できますがこちらは5.0%と確認できます(ヴィーガンを含む)。そのため、50人に一人はヴィーガン、20人に一人はベジタリアンということが分かります。

例えるなら、学校の各クラスの中に2人はベジタリアンがいて、そのうち1人はヴィーガンでもある。そんなイメージでしょうか。

 

日本の人口割合

※グラフ注:NPO法人アニマルライツセンター、フレンバシー社調査結果より、独自に作成[1]

それではこの数字を人数で見るとどうでしょうか。総務省の統計によると日本の人口は約1億2,600万人です[2]。この人数に先程のヴィーガン率、1.9%を掛け合わせると240万人という数字になります。240万人、非常に大きな数字に聞こえますね。どれくらい大きいのでしょうか。

同じく総務省統計の都道府県別の人口ランキングによると1位は東京都で1,372万人[2]。群を抜いてトップです。続いて神奈川県、大阪府。13位は京都府の259万人、14位は宮城県の232万人と確認できます。ヴィーガン人口と都道府県の人口を比較するのも不思議な感じですが、ヴィーガン推定人口の240万人は京都府全体より少し少ない、ということになります。日本中のヴィーガンの人たちが一箇所に集まると京都府と同じ規模になると考えると、マイノリティではないのでは?という雰囲気を改めて感じます。

都道府県別人口ランキングとヴィーガン人口の比較

※グラフ注:総務省統計局数字より独自に作成[2]

京都府より少し少ない国内ヴィーガン人口。それでは経済規模ではどの程度になるのでしょうか。総務省の統計局では国民の様々な統計を調査しています。1世帯辺りの食費、という項目も調査しており、こちらの数字を参考にヴィーガン食の市場規模を推定してみましょう。元となるデータは非常に細かく作られており、単純な「一人あたりの食費」というものは存在しません。ですが、あえて算出すると一人あたりの食費は一ヶ月で20,785円という数字が導き出せます[3]。これは外食費用やアルコール費用を除いた金額です。年間で換算すると約24万円。これが1年間の一人あたりの食費です。この24万円に先程のヴィーガン推定人口240万人をかけあわせると、なんと約6,000億円となります。特定保健用食品(トクホ)市場の2019年の市場規模が6,493億円ですから[3]、ヴィーガン市場はトクホと同じ経済規模と言えそうです。いや、外食も含めるとそれ以上かもしれません。

 

国内市場規模比較

※グラフ注:各調査結果より独自に作成[3]

ヴィーガンの人口比率から、推定人数、市場規模を見てきました。国内でのヴィーガンの影響はけっして小さくないことを感じていただけましたでしょうか。このマイノリティとは言えないヴィーガン業界について今後もご関心を持っていただけますと幸いです。

 

 

【出典】

[1]認定NPO法人アニマルライツセンター
[1]株式会社フレンバシー(Vegewel)
[1]株式会社フレンバシー(Vegewel)
[2]総務省
[3]総務省統計局
[3]公益財団法人 日本健康・栄養食品協会
[3]ぴあ総研
[3](一社)日本即席食品工業協会
[3]矢野経済研究所

 

著:齊藤飛鳥(さいとうあすか)